FF15の発売から約1か月後の12月28日に、すべてを解説する完全攻略本「ファイナルファンタジーXV アルティマニア」が「シナリオSIDE」「バトル+マップSIDE」の2冊同時に発売されました。今回のFF15は、個人的にはこれまでのFFの中でも1番期待感との落差が大きいタイトルでしたが、特にシナリオ面に関しては”薄っぺらい”と感じていました。
そのシナリオ部分の不満を解消できるのでは?と手に取ったFF15アルティマニア「シナリオSIDE」についての感想を書いていこうと思います。
父と子の絆、仲間との絆、愛の絆を描いた物語(シナリオ)のすべてがここに→「どこに??」
[su_note note_color=”#fef88d”]シナリオ(scenario)
(映画・劇の)場面変化の順序、せりふ・動作などを書いたもの。脚本。「―ライター」。更に広く、物事の進行について(さまざまな可能性を考えに入れて)仕組んだ筋書き。[/su_note]
「シナリオSIDE」というタイトルから、映画「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」やアニメ「BROTHERHOOD FINAL FANTASY XV」とのつながりを補完し、ゲーム内では説明しきれなかった世界背景や設定などの掘り下げがあると期待していましたが、私が期待していた部分に関しては期待外れでした。
「シナリオSIDE」は7章構成で、随所にディレクターやスタッフのインタビュー等があったりします。
1章 キャラクター&ワールド……登場人物たちと世界の歴史や情勢を解説
2章 ガイダンス……ゲームを遊ぶうえで知っておきたい基本情報をガイド
3章 シナリオ……メインシナリオを進める手順をダンジョンマップとともに掲載
4章 サブクエスト……全サブクエストの発生時期や発生条件、クリア手順を紹介
5章 レガリア……レガリアのカスタマイズ情報や音楽アルバムの曲目を網羅
6章 スキル……釣り、サバイバル、料理、写真の各スキルの仕組みとデータが満載
7章 ミニゲーム……旅の途中で楽しめる各種ミニゲームの攻略法を収録
折りこみポスター……受注可能時期別サブクエストリスト&討伐依頼リスト
個人的には、レガリアのカラーリングや料理・釣りに100ページ割くのなら、世界設定やキャラクター、シナリオンについてもっと深堀して欲しかったと思います。アルティマニア・シリーズは読み物としても楽しめる充実した内容(それに相応しい厚さ)が魅力でした。今回は、厚さは十分ですが、編集者の方の苦労が伺える内容でした。
想像の余地すら奪って、ファンにとどめをさす内容
アルティマニアを読むまでは、最大限に好意的に考えて、今回のFF15はオープンワールド化に伴う度重なる変更で、ストーリーが分断されてしまった事で説明不足・言葉足らずになってしまっただけで、映画から連なる一連の物語のバックボーン・世界観・キャラクター設定はしっかりしたものがあると思っていました。だからこそ、これまで自分なりに分断されたストーリーを想像を膨らませることで補完してきました。
しかし、今回のアルティマニアで知った内容はプレイヤーの「考察の余地すらぶっ潰す」ようなものでした。
特に、今回のFF15の最重要キーパーソンともいえるアーデンの動機が
「アーデンは、一般の感覚とかけ離れた趣向を持つ猟奇的な性格なので、ノクティスを待つ10年間にあんな風景を作り、王の空間を汚して遊んでいた、みたいなニュアンスですね。」
「!!!」
「裏に深遠な理由があるのではなく、強くなったノクティスに復讐を遂げるという、自分にとって最高に気持ちのいい状態を味わうために動いていました。」
「!!!!!!」
どうやら”ファイナルファンタジー”は一般の感覚とかけ離れた猟奇的な性格の制作者に汚されてしまったようです。
結論:悪い、やっぱ辛ぇわ
「ファブラ ノヴァ クリスタルシリーズ」に共通する「クリスタルに選ばれた者が命を賭して使命を果たす」。その使命が猟奇趣味でルシス王国とニフルハイム帝国を滅ぼした変態を命がけで倒すことだったとしたら
「そりゃ、つれぇでしょ」
アルティマニアを読んで良かったのは、ノクトたちの最後のやり取りの本当の悲劇の真相を知ることができたことです。プロンプトがやたら寄り道したがるのも、グラディオが怒りっぽいのも、イグニスが失明してまで遅く歩かせようとするのも、こんな結末に向かうのを少しでも遅らせようという優しさ・配慮だったのだと思うと、最後のキャンプのシーンもより感慨深いです。
頭の片隅に伝説のゲームのラストで見た至言が浮かんできました。
「こんなげーむにまじになっちゃってどうするの」
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