フレッシュリーグはチーム数が6チームと少なく日程にも余裕があるため、試合ない週は、練習試合を組んで少しでも多く試合経験を積んでいくことにしよう。そう考えた私は、秘書に練習試合を申し込めるチームを尋ね、予定を組むことにする。
リーグ戦第2節は4月2週目の、アウェイでの緑丘SC戦。それままでの2週間に城南タキオン(ステップリーグ)、つくば・ダ・ガマ(N1リーグ)との練習試合を申し込むことができた。あえて格上のチームと試合をするのには理由がある。格上のリームとのレベル差を痛感することで”より多くの課題”を発見することができる気がするからだ。
城南タキオン、つくば・ダ・ガマとの練習試合は、それぞれ0-0、0-1で終えることができた。正直もっと大きな点差が付くと覚悟していたのだが、思いのほか検討することができた。この勢いで公式戦も突き進んでいきたものだ。
小倉抹茶スパーズ 開幕3連勝!ミランダ3戦連発!
地元新聞のスポーツ欄を鮮やかな勝利の様子が飾る。
第2節の相手、緑丘SCをアウェイで4-1で退けることができた。さらに5月1週に行われた第3節、ホームでの白浜イレブン戦も、同点のまま迎えた後半87分、ミランダの起死回生の勝ち越しゴールで辛くも勝利を収めることができた。しかし、3戦ともつまらない失点をしているのが気になるらしく、グランドではコーチの激しい檄が飛んでいる。正直、このコーチがいなければ、ここでの監督生活はとっくに終わっていただろう、と感慨に耽っていると、秘書から電話がかかってきた。
「K市長がクラブ事務所にいらっしゃいました」
やれやれ。なんだか、嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
1年目5月2週目 「十勝バロンのDFさくら選手へオファー出しといたでよ」
クラブ事務所に着いた私に、開口一番、K市長が伝えたのは選手オファーの話だった。さくら選手といえばN2リーグ所属の十勝バロンでレギュラーを張る、今、売り出し中の女子選手ではないか。
「開幕から3連勝、見事だけど、つまらない失点が多いのがちょっとばか気になってよ・・・」
なるほど、K市長も市長なりにいろいろ考えているのだな。私がそう思いかけた次の瞬間
「彼女が加入してくれれば、チームもより華やかになるでよ。よろしく頼むでよ」
そう言い残して、足早に去っていくK市長。やれやれ、やっぱりそういうことか。まあ、さくら選手も、N2リーグからわざわざ、ステップリーグの小倉抹茶スパーズに来るなんてことはないだろう。今は、目の前の試合に集中しよう。
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