結局FF15はクソゲーだったのか?

「FINAL FANTASY XV」が発売されて約3週間。発売前のフラゲ配信の頃からネット上では様々な意見が飛び交っています。内容は否定的な意見が多いような気がします。では今回のFF15はクソゲーだったのでしょうか?プレイした方それぞれに様々な意見や見解があると思いますが、私も自分なりの意見を整理して「いい加減切り替えて」いこうと思います。

販売本数的にはミリオンに届かず・・・

FF15の販売本数は初週69万本、2週目7.9万本と未だ100万本に届かない状況です。これからクリスマスから年末・お正月と財布の紐が緩くなる時期になりますが、初期出荷本数が多く販売店が多くの在庫を抱えている上に、すでにクリアして売り逃げた人たちも多く、中古の在庫も増え、さらに買い取り価格がどんどん下がっている現状では、年末商戦での販売本数の大幅な増加も見込めそうにありません。

このままではナンバリングタイトルとしてはFF2以来の国内100万本割れタイトルとなってしまいそうです。(オンラインタイトルのFF11やFF14、FF13-2、LRFF13などのFF13の派生タイトルは除いています)

FFシリーズ国内販売本数
FF1 1987/12/16 52万本 FC
FF2 1988/12/17 76万本 FC
FF3 1990/4/27 140万本 FC
FF4 1991/7/19 144万本 SFC
FF5 1992/12/6 245万本 SFC
FF6 1994/4/2 255万本 SFC
FF7 1997/1/31 328万本 PS
FF8 1999/2/11 369万本 PS
FF9 2000/7/7 282万本 PS
FF10 2001/7/19 250万本 PS2
FF10-2 2003/3/13 200万本 PS2
FF12 2006/3/16 232万本 PS2
FF13 2009/12/17 193万本 PS3
FF13-2 2011/12/15 84.1万本 PS3
LRFF13 2013/11/21 27.7万本 PS3
FF15 2016/11/29 ??? PS4

ただ、販売本数については前作FF13の影響もあるため、それだけではFF15がクソゲーとは言い切れないと思います。しかしFF15の販売本数は、次回FF16(もしあるのであれば)の販売本数に暗い影を落とすことにはなりそうです。

FF15の一番のウリはなんだったのでしょう?

ファイナルファンタジーはシリーズごとに新たな試みにチャレンジし進化してきたタイトルだと思います。その辺りは常に安定した「らしさ」を積み重ねるドラクエとは異なるところであり、FFシリーズの魅力の1つだったと思います。

例えばFF1はドラクエ1が勇者1人旅、2で3人パーティだった頃に、様々なジョブのパーティ、前衛・後衛の概念、魔法属性の概念、カヌー・船・チョコボ・飛空艇(しかも高速で飛ぶ)などの乗り物、さらにクラスチェンジなど、同時期のドラクエと比較してもとても完成度の高いゲームシステムだったと思います。

それがFF2では、経験値によるレベルアップから(賛否両論かとおもいますが)熟練度システムへの変更、固有の名前や個性を持たせたキャラクター、物語の進行に合わせて入れ替わるパーティメンバー、キーワードを覚え要所でプレイヤーから問いかけストーリーを進める仕組みを導入。

その後もFF3ではジョブシステムや召喚獣、FF4ではアクティブタイムバトル、5人パーティ、固有ジョブを持った様々なキャラクター、FF5ではアビリティ、FF6では魔石、FF7ではポリゴンによる立体的な世界や美しいムービー、FF8ではジャンクション、FF9でははアイテムから抽出されるアビリティシステム、そして原点回帰、FF10ではスフィア盤に武器の改造、そして映画のような泣けるストーリー、FF12ではガンビットシステム、FF13ではクリスタリウムに複数回の行動をまとめて指示する戦闘システム・・・

と、同じシリーズとは思えない程、様々なシステムが導入されています。そして今回のFF15にも新たな試みが取り入れられました。

”シフトブレイクによるアクション性の高いバトル””マップ切り替えなしに自由に冒険できるオープンワールド””映画やアニメのスピンオフ作品とのメディアミックスによる重厚なストーリー”

これら1つ1つはどれもナンバリングに相応しい大きな魅力となりえた要素だと思います。そう、もっとしっかり作りこまれててさえいれば・・・

「1つ1つの試みは面白く」なりえたかもしれないが・・・

”シフトブレイクによるアクション性の高いバトル””マップ切り替えなしに自由に冒険できるオープンワールド””映画やアニメのスピンオフ作品とのメディアミックスによる重厚なストーリー”はどれもとても魅力的なものでした。しかし、それを無理やり組み合わせたことで、1つ1つの魅力をそぎ落としてしまったと思います。

例えばオープンワールド。これは映画のような重厚なストーリーを魅せていく舞台としては失敗だったと思います。これまでのFFではストーリーを進めていく中で広大な世界を冒険していました。しかしFF15ではオープンワールドにしてしまったことで、箱庭のような限られた狭い世界の冒険に限られ、街も少ない。これでは星を救う壮大な物語といわれても???という感じです。

そして、そのストーリーは明らかに説明不足なことが多く、物語に共感しのめりこむことが難しかった印象です。これもオープンワールドにする過程で割愛されてしまった弊害ではないでしょうか。でも、それ以前にゲーム単体として物語が補完されておらず、映画やアニメの続きのようなストーリー構成はいかがなものでしょうか?(百歩譲ってそれを良しとして、あの映画の続きがどうしてこうなった)

シフトブレイクやマップシフトもオープンワールドとの組み合わせにより、魅力を十分に引き出せなかったと思います。もしオープンワールドではなく、エリア切り替え制で、様々な環境や高低差のあるマップなどがあれば、シフトブレイクのアクションはもっと引き立ったと思います。

どれも面白くなりえる要素だったのに、結局、何を1番のウリにするか絞れずに、とりあえず全部詰め込んで全て中途半端なものになってしまったことで魅力を相殺してしまったのがとても残念な気がします。

もしもオープンワールドを無理に進めなければFF15はどんなゲームになっていたのでしょう?

それで結局FF15はクソゲーだったのか?

それでは結局FF15はクソゲーだったのでしょうか?正直、後半は途中からプレイするのが苦痛になることもありましたが、一方で前半は確かに楽しめた部分もたくさんありました。致命的なバグの報告もあるようですし、ストーリー展開やキャラクターへの批判的な意見も多くありますが、それらは高い期待感の反動によるところも大きいと思います。映画やPVの美しい映像、派手な広告、ディレクター田畑端氏の発言などでいやがうえにも高まってしまった期待が、ゲームを進め章を重ねるごとに絶望へと突き落とされた結果が、ネットでの多くのクソゲーという評価につながっているのでしょう。

もしこれがFFのナンバリングタイトルでなければ、光るところもあるただのホモホモしい完成度の低い凡作くらいの評価だったと思います。ですから私はFF15はクソゲーというよりは期待外れの残念ゲーだと思います。

今年はPVと壮大なコンセプトに期待しすぎてしまったインディーズメーカーの「No Man’s Sky」というゲームもありましたが、まさか日本を代表するゲームメーカーの看板作品のナンバリングタイトルでまでこんなことになるとは思いませんでした。

「No Man’s Sky」は最近、大規模なアップデートがありました。一方、FF15もアップデートロードマップが発表されています。インディーズメーカーの初タイトルと大手老舗メーカーを同列に並べるのはどうかと思いますが、それぞれどこまで評価を回復できるか今後の動向が少しだけ気になります。

結論:FF15は決してまったく楽しめないクソゲーというわけではないと思います。豊富な新品在庫と今後ますます増えそうな中古在庫により、お手頃価格になった頃にチャレンジしてみるのなら良いかもしれません。

FINAL FANTASY XV (ファイナルファンタジー15) | SQUARE ENIX
最先端ゲームの感動体験をすべてのユーザーに── 初めて「ファイナルファンタジー」をプレイする人のための、15番目の最新作。
http://www.jp.playstation.com/software/title/pcjs50009.html

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